保育園入園に向けて保活をはじめたい保護者のみなさん、初めての保活は不安でいっぱいではないでしょうか。特に保活では、はじめて聞く言葉や独自の用語が多いのがネックになる方も多いようです。まずは基本の第一歩として、保活にあたって知っておきたい保育園の種類や、役所で使われている保活用語について解説します。
保活を成功させるための基本として、まずは保活を進めるにあたって理解しておきたい・知っておきたい内容を見てみましょう。
まず、そもそも「保活」とはなんでしょうか?
保活とは、子どもを保育園に入園させるために保護者が行なう活動全般を指した言葉です。
文脈的には「就活」「婚活」と同様に「保育園入園+活動」といったような活用から生まれた言葉と推測されます。
そのため、保育園探しから申し込み、手続きなど、子どもの保育園入園に向けて、そのために保護者が行なうものは、すべて保活と言えるでしょう。
ここからは、「保活とは」を理解するために必ず知っておきたい用語を解説します。
まずは、保育園の種類について整理しましょう。
保育園には大きく分けると「認可保育園」「認可外保育園」「認定こども園」の3つの種類があります。
この種類によって申し込み方法、入園の方法が違うため、どの園を希望するかで保活のスタイルも大きく変わります。
この3つは、以下のように分類することができます。
児童福祉法に基づく児童福祉施設であること、国が定めた設置基準を満たしていることが都道府県知事に認可された保育園を「認可保育園」と呼びます。
認可保育園には、区市町村などの自治体が運営する「公立園」と、企業や法人などが運営する民間の施設である「私立園」があるのが大きな特徴です。
公立・私立いずれの場合でも、施設の広さ、子どもに対する保育士などの職員の数(配置人数)、給食設備、防災管理、衛生管理など多くの基準をクリアしていることは共通しています。
認可保育園に申し込むには、所属する自治体が公表している園の空き状況や定員・年齢ごとに受け入れている人数を確認した上で、受付期間内に役所あてに申し込みを行なう必要があります。
細かい日程は自治体によって変わりますが、認可保育園の次年度4月入園の申し込みはおおむね前年の10月~11月前後に行なわれることが多いようです。
申し込み後は、自治体で世帯ごとの点数(指数)をもとに選考が行なわれ、点数の高い希望者から入園が決定します。園に直接申し込むことはできません。
児童福祉法上は保育園として認められた施設ですが、認可園に対して都道府県知事などの認可を受けていない保育施設が「認可外保育園」です。
いわゆる小規模・短時間だけ子どもを預かるような「託児所」などもこの一部とされます。認可を受けていないため、すべて私立運営です。
認可外であるため、大規模園から小規模園までさまざまな園があり、受け入れ態勢や保育内容・個性も多種多様といってよいでしょう。園によっては0歳児から2歳児までのみというように、乳児のみのクラスで運営している園もあります。
幼児教育や独自の活動に力を入れている園が多く、方針を重視してあえて認可外園を選ぶ保護者も増えています。
認可外保育園への入園申し込みは、希望のクラスに空きがあり、園が提示する入園資格を満たしていれば、年度途中などいつでも受付可能としているところが多いようです。
認可外園への入園に際して、自治体などへの連絡は不要です。園に直接連絡をとったうえで、園が指定する必要書類を揃えて直接申し込みます。
なお「認証保育園」とは、東京都が独自に設けた認証基準に沿って運営している、東京都にしか存在しない形態の保育園です。
A型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)があり、認証基準は園児1人あたりの基準面積や開所時間などが、都心での運営を前提とした独自基準になっているのが特徴です。
認証保育園への申し込む場合も認可園と同様、園に直接申し込みます。
「認定こども園」とは、国の認可基準を満たした上で運営されている幼保一体型の施設を指します。
保育を提供する施設としての保育園、幼児教育を行なう教育機関としての幼稚園の両方の要素を併せ持つ役割を果たしている園が、この「認定こども園」です。
同じ認定こども園の中でも、ニーズや方針によって「保育所型」「幼稚園型」「幼保連携型」「地方裁量型」などさまざまな種類があり、それぞれの特色により開所時間や職員の保有資格、経営母体などが変わります。
そのため、「認定こども園 ○○保育園」や「認定こども園 ○○幼稚園」といった名称の園があるのが特徴です。
入園希望年齢によっては、保育園のように「両親ともに仕事・介護などで子どもの保育ができない」という入園においての前提がないのも、認定こども園の大きな特徴です。
入園申し込みは自治体主導、園に直接行なうという2パターンがあります。
以下の表のように、子どもの年齢と、教育・保育いずれの時間帯の通園を希望するかによって、1号~3号までの認定基準が割り振られ、それによって入園手順が変わります。
認定 |
年齢 |
内容 |
認定条件 |
入園手順 |
1号 |
3歳以上 |
教育 |
保護者の就業など条件はなし |
園に直接申し込み、空き状況によって入園が決まる |
2号 |
3歳以上 |
保育 |
市区町村に「保育の必要性」の支給認定を申請 |
自治体に申し込み、選考によって入園が決まる |
3号 |
3歳以下 |
保育 |
共働き・介護などの事情で家庭で保育ができない保護者が対象。 自治体に「保育の必要性」の支給認定を申請 |
自治体に申し込み、選考によって入園が決まる |
入園したい園が認定こども園の場合は、自分の世帯がどこの認定にあたるかを確認して保活に臨みましょう。
認可保育園の入園を目指す場合の保活とは「情報収集」「居住地域の役所の窓口などで、案内冊子や必要書類をもらう」などから始める方が多いようです。
これらの保活にあたって「よく聞くけどどういう意味?」と首をかしげてしまう、さまざまな保活用語を解説します。
自治体によって「点数」「指数」と異なる呼ばれ方をする場合がありますが、意味は同じです。
認可園に申し込む場合には、世帯ごとの点数を計算して指数表を提出する必要があります。この点数をもとに、自治体が入園の優先順位を決めていきます。
点数の割り振り、加点数・減点数も自治体によってさまざまなので、必ず所属する市区町村の指数(点数)表を入手して、それにそった点数計算をする必要があります。
指数(点数)表は自治体のウェブサイトや窓口で交付しています。
先述の指数(点数)にまつわる用語です。点数は主に3種類の基準値によって加点・減点されます。
この最初の基準となる項目によって出される点数が「基準指数」となります。基準指数は世帯単位で算出します。
主な項目には「就労状況(就労日数、就労時間)」「疾病・障害の有無」「介護・看護が必要な家族の有無」などがあり、その世帯に対して基本的な保育の必要性を判断するための基準となります。
「基準指数」を算出した後に、その指数を基準値としてさらに「調整指数」の項目をもとに加点・減点を行なっていきます。
調整指数は、自治体ごとに大きく差があるのが特徴です。主な項目としては「きょうだいの入園状況」「自治体の居住歴」「祖父母の住居が近隣か」などは多くの自治体で見られますが、各項目での点数は異なりますので確認しましょう。
基準指数+調整指数で割り出された点数をもとに、認可園への入園選考が行なわれます。
基準指数+調整指数の点数が同数だった場合に基準となるのが「優先順位」です。
これも基準指数・調整指数と同様に自治体によって違いますが、優先順位は地域の待機児童の状況や居住世帯の特色によって項目が大きく異なるのが特徴です。
例としては、「家族の疾病」「両親いずれかの単身赴任の有無」「保育料の滞納歴」などがあり、自治体によってそれぞれの項目に順位が定められています。
基準指数+調整指数の点数が同数の世帯が同じ保育園に希望を出していた場合に限り、この優先度が最も高い項目から判断されて入園が決まります。
希望園を決めて申し込みをする前に、気になる保育園を見学することができます。
園見学の参加を必須としている園もありますが、認可園では選考は自治体が行なうため、園見学をしたからといって入園が確約されたり、入園に有利になったりすることはありません。
このように園見学自体は任意ですが、近年では、認可園・認可外園ともにいくつか園見学を行なってから決めるのが保活のスタンダードになりつつあるようです。
また、どの保育園も、園見学は年中行なっていることがほとんどです。保育に影響しないよう日程や時間帯を設定している園もあります。
飛び込みではなく、必ず園に電話などで問い合わせ・予約をしてから行くようにしましょう。
待機児童とは、その自治体で「保育園に入園を希望していたが入園できなかった」子どもの数です。自治体ごとに数えられ、公表されています。
2016年前後から社会問題として目にする機会が増えた「待機児童」の数ですが、近年は国の施策などによって、減少傾向にあるとされています。
ただ、このカウントの仕方も自治体によってさまざまなため、公表された待機児童数が実態と大きく乖離していることが指摘されている地域もあるようです。
保活とは?と考えたときに、知っておきたい基本的な保活用語についてまとめました。
基本的な流れとしては、まずは気になる保育園の種類を確認し、認可園であれば点数・指数を計算する、認可外園の場合は園見学や情報収集をしてみる、などが一般的です。これを知ることで、保活の進め方も見えてくるかもしれません。
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