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保活の指数(点数)の計算方法!入園につながる加点についても解説

作成者: 園ナビ|2/27/24 4:44 AM

認可保育園への入園は、自治体ごとに設定された「指数(点数)」を基準に選考が行なわれます。この点数の仕組みを理解することで、保活が成功するかどうかが左右されると言ってもよいでしょう。ここでは、この点数の基本と加点について、そして東京都の2つの自治体を例に、入園につなげるための条件について考えます。

保活における指数(点数)とは?

認可保育園の入園選考は、各自治体が設定した「指数表」に基づいて世帯ごとの点数が算出され、その点数の高い順に入園が決まります。

この選考のために計算する「指数」には2つの区分があります。

それが「基準指数」「調整指数」です。

指数は項目ごとに配点が決まっており、世帯ごとに該当項目があればその配点を確認して加点・減点することで、世帯の指数(点数)が決まるという仕組みです。

項目と配点は、自治体が定めた「指数表」に記載されています。この指数表をもとに、各世帯の点数を計算していきます。

手順としては、まず「基準指数」の指数表をもとに両親の基準指数を合算して、基準点を算出します。この基準点に対して「調整指数」の指数表をもとに加点・減点を行ないます。

式にすると以下のようになります。

 

(父の基準指数+母の基準指数)+調整指数(加点・減点)=世帯の点数    

このようにして算出した世帯の点数が高い世帯から順に、希望の園への入園が決まります。

この際、まったく同点の希望者が複数いる場合には、自治体ごとに定められた「優先順位」が指標になり、優先順位の高い項目に該当する世帯が優先されます。

認可保育園の入園選考が「基準指数」+「調整指数」をもとに指数(点数)が高い順に決まる・同点の場合は優先順位の高い項目に該当する世帯から順に決まる、というシステムは全国共通ですが、各項目の内容や配点は、自治体によってさまざまです。

これらの指数表は、その年度によって項目や配点が変わる場合がありますので、申し込み時の最終的な計算をする場合は、必ず最新の指数表を使用しましょう。

指数表は、各自治体が発行する「入園案内」に記載されていますが、これは自治体のサイトでも閲覧できます。また、役所の窓口でもらうことも可能です。

保活の結果を左右する2種類の指数(点数)と優先順位

iStock.com/Rawpixel

保活の指数(点数)についての基本的なシステムが分かったところで、「基準指数」「調整指数」「優先順位」の3つの基準について詳しく見ていきましょう。

基準指数

基準指数の内容は、自治体によって多少違いはありますが、おおむね同じような内容と考えてよいでしょう。基本的には大きく以下の項目があります。

基本的には、基準指数は加点項目のみの自治体が多いようです。

項目や配点の基準はどの自治体もほぼ同じですが、点数は各自治体によって大きく変わります。

主な項目

主な配点の基準

就労状況

外勤・自営ともに月の就労日数と就労時間

疾病・心身障がい

入院、療養状態、障がい者手帳の等級

介護・看護

常時介護・入院・通院の付き添い日数・時間など

就学

就学・就学内定など。就学内容が問われる場合も

災害

自然災害・火災などを含む家屋や居住の状況

出産

予定月の前後〇カ月など

求職・内定

求職中・内定している勤務時間など

上記のような内容での配点基準にもとづいて、両親それぞれの指数を算出します。

たとえば「月に20日以上・1日8時間以上の勤務」が20点、「月16日以上・1日6時間以上8時間未満の勤務」が16点で換算される自治体の場合、

パパが「月に20日以上・1日8時間以上の勤務」

ママが「月16日以上・1日6時間以上8時間未満の勤務」

上記の就労状況の場合は、20+16=36で、この世帯の基準指数は「36点」となります。

調整指数

基準指数が算出できたら、次は「調整指数」で加点・減点を行ないます。

基準指数は就労や介護の状況によるため、点数を大きくコントロールすることは難しいですが、保活に取り組む多くの方からは、この調整指数でできるだけ点が高い項目をクリアする・多くの加点項目に該当できるように工夫するという声も聞かれます。

また、基準指数に比べて自治体によって項目や配点に大きく差が出るのが、調整指数の特徴でもあります。

同じ内容の項目でも、A市は「+8点」と大きな加点なのに対し、隣のB市では「+2点」というような場合も多いようです。

項目の一例としては、以下のようなものがよく見られます。

・希望する保育園にきょうだいが在園している(加点)

・すでに自治体内の認可外保育園やベビーシッター利用の実績がある(加点)

・同居もしくは近隣に祖父母がいる(減点)

・他園に入園しているが転園を希望している(減点)

ほかにも「保護者によるDVの有無」といった項目などでは、基準指数に入っている自治体、調整指数に入っている自治体、いずれにも入っていない自治体などがあり、項目の設定にもそれぞれの違いが大きく表れていると言えるでしょう。

優先順位

基準指数と調整指数の合計点が高い順から、希望した園の定員数に沿って内定が決まります。

その際、希望者数が定員を超えている園で、同点の希望者が複数いた場合に内定者を決める指標になるのが「優先順位」です。これは点数を加点・減点するのではなく、希望者を比較する際の基準として自治体ごとに設定されています。

ここでは、待機児童の多い東京都国分寺市を例に優先順位を見てみましょう。

優先順位

条件

第1優先

新規申込みか転所申込みか(新規を優先) 

第2優先

基本指数の和の高い児童

第3優先

待機年数(年度)の長い児童 

※取り下げ及び内定辞退をした場合は,待機年数はいったん0になる

第4優先

世帯の利用者負担額滞納月数の少ない児童

第5優先

きょうだい数(小学校3年生以下)が多い児童

第6優先

世帯の前年度市区町村民税額(父母合算額)の低い児童

出典:令和6年度 保育所等入所案内/東京都国分寺市公式ホームページ

このように、より保育を必要としている世帯を優先できるよう設定されているのが優先順位です。

自治体によっては、この順位が公表されていない場合もあるようです。

調整指数がカギ!自治体ごとの加点・減点ポイントを確認

iStock.com/maruco

基本的には「基準指数」と「調整指数」によって入園が決まりますが、最も大きく差がつくポイントであり、できるだけ加算できるようチェックしたいのが、調整指数です。

項目や配点を確認して、加点できそうな項目があったら少しでも点数を積めるように、また減点項目を減らすように調整するのも、保活の手腕のひとつと言ってもよいかもしれません。

指数は、自治体によって違いがあることは先述のとおりです。

例として、同じ東京都である国分寺市と港区における2024年度の調整指数を比較します。市区それぞれの調整指数の中で、加点・減点ともに最もポイントが高い項目を見てみましょう。

【最も加点ポイントが高い項目と点数】

国分寺市

・障害児枠での入園を希望もしくは申込児に障がいのあるきょうだいがいる  +30点

・ひとり親または父母不存在の世帯  +30点

港区

・生活保護受給世帯  +8点

・両親が死亡・拘禁・行方不明などの理由で不存在の世帯  +8点

【最も減点ポイントが高い項目と点数】

国分寺市

・育児休業延長希望の世帯(ひとり親世帯を除く)  -15点 

港区

・正当な理由なく保育料等を納期限から3か月以上滞納している世帯   ‐20点 

出典:令和6年度 保育所等入所案内/東京都国分寺市公式ホームページ

出典:保育園入園のごあんない(令和6年度版)/東京都港区ホームページ

そのほかにも、国分寺市は「市内の地域型保育事業(連携施設のない場合に限る)を卒園し、引き続き市内認可保育所の入所申込みを行う場合」は+20点となりますが、港区にはこの条件に該当する項目自体がありません。

これは、待機児童が多い国分寺市と、待機児童0人の港区(2023年度公表)の状況からくる差とも言えるかもしれません。

翻って、港区で-3点に該当する項目「父母ともに大使館関係職員等で就労の資格を有する査証・資格外活動許可書のない世帯」という項目は、国分寺市にはありません。

上記の例からも、自治体ごとの居住世帯の傾向が、項目の設定に大きく影響していることも分かりますね。

このように、同じ調整指数でも、項目内容や配点に大きく違いがあります。

できるだけ調整指数で指数(点数)を上乗せすることを目指すなら、前もって入園予定の自治体の調整指数の傾向を確認してみるのもよいかもしれません。

保活の指数(点数)計算を理解してゴールを目指そう

認可保育園への入園を目指す保活を知るうえで欠かせない「指数(点数)」の仕組み、自治体ごとの違いなどについても見てきました。

できるだけ指数(点数)を高く積みたい!と考えるのは、保活をするうえで誰もが通る道でしょう。入園希望の自治体の指数表や優先順位を確認してみると、新たな発見があるかもしれませんね。

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