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東京都渋谷区の保活事情をリサーチ!待機児童ゼロでも保育の受け皿は拡充

作成者: 園ナビ|3/1/24 3:48 AM

渋谷区と言えば、渋谷駅周辺などの雑多なイメージから保活の印象は薄いかもしれません。しかし、下町情緒溢れる初台・幡ヶ谷・笹塚や、閑静な高級住宅地の代々木上原・八幡・松濤などは子育て世帯に選ばれる街として根強い人気があります。そんな渋谷区の待機児童の現状や対策、2024年度の申請方法やスケジュール、区による保育サービスなどについて紹介します。

【渋谷区の保活】基本情報

渋谷区は、区内だけで20本の鉄道路線が通っていることから、都心から郊外までどこに出るにもアクセス至便なことが強みと言えるでしょう。

そんなアクティブで行動的なファミリーに人気の渋谷区の保活について、ここでは2023年度の待機児童や申請スケジュールなどを中心に見ていきましょう。

待機児童

渋谷区は2021年から3年連続で待機児童ゼロを実現しています。

2018年には151人を数えていた渋谷区の待機児童でしたが、年々少しずつ減少させることに成功。2021年にゼロを達成して以降は、その成果を持続させ続けています。

最新となる2023年4月入園の申し込み総数は5402人。この数は、渋谷区が確保していた利用定員数6420人分の受け皿を大きく下回っています。そのため、園によっては定員割れを起こしているクラスがあることが推察されます。

しかし、渋谷区は次年度の2024年4月入園の受け皿をさらに300人ほど拡大しています。

これは応募が偏りがちな1歳児クラスなどの拡充だけでなく、渋谷駅周辺の都市再開発にともなう人口流入により申込数増加が予測されていることも視野に入れているようです。

出典:各市区町村の「新子育て安心プラン実施計画」(令和5年度)/こども家庭庁

申し込みスケジュール例(2024年4月入園)

渋谷区で保活に取り組む際の参考として、2023年の申請スケジュールを見てみましょう。

【一次申請】

申請期間: 2023年10月2日~11月22日(オンライン)

         2023年10月20日~11月30日(窓口)

通知日 : 2024年1月31日


【二次申請】

申請期間:2023年12月1日~ 2024年2月8日(オンライン)

                      2023年12月1日~ 2024年2月13日(窓口)

通知日 : 2024年3月4日

オンラインと窓口で、開始日や終了日が少しずつ変わるので注意しましょう。郵送の場合は窓口と同じスケジュールで、申し込み終了日必着になります。早めの投函を心がけましょう。

申請窓口

直接の対応窓口は、渋谷区役所本庁舎4階の「保育課」です。

渋谷区は窓口混雑緩和のため、基本的にオンライン申請もしくは郵送を推奨していますが、区外からの申し込みや、書類確認などが必要な場合は窓口に直接持ち込むのがよいでしょう。

渋谷区の公式サイトから窓口予約システムが利用可能ですので、できるだけ活用しましょう。

また、申し込み時に書類が不足していたり内容に不備があったりした場合は、オンラインで追加提出することも可能です。

出典:令和6年度保育園入園のご案内/渋谷区

【渋谷区の保活】選考基準

渋谷区の選考について紹介します。

渋谷区では、区が定めた「基本指数」「調整指数」に従って世帯ごとの保育の必要性を数値化し、その点数をもとに入園選考を行なっています。

この基準は「利用調整基準表」として、区が年度ごとに発行している「保育園入園のご案内」に掲載されています。

まず世帯ごとの基本指数を算出し、その点数に調整指数表から該当する項目の点数を加点・減点することで、最終的な点数が分かります。この点数が高い世帯から希望園に入園できるよう調整が行なわれます。

指数が同じ場合は「同一指数となった場合の優先順位」により判断。渋谷区では原則として、転入予定を含む渋谷区民を優先しています。 

これをもとに、以下の例を見ていきましょう。

基本指数

基本指数算出の一例

父親(フルタイム勤務)

週5日以上就労し、1日8時間以上の就労を常態(おおむね月20日以上)  →20点

母親(時短勤務)   

週5日以上就労し、1日6時間以上8時間未満の就労を常態(同上) →18点

このような場合、基本指数は「38点」となります。

基本指数の各項目の最高点は20点です。

なお、渋谷区の特色としては「虐待やDVのおそれがある場合など、社会的養護を必要とすると認められる場合」という項目があり、この項目に該当すれば20点の加算となります。

この点数をベースに、次の調整指数で指数の加点・減点を行ないます。

調整指数

就労や介護の有無・状況などを点数化し、さらに細かい状況を加味して点数を調整するのが、この「調整指数」です。

加算となる項目に該当する場合は、その事実を確認できる書類の提出が必要です。 

渋谷区の調整指数の最高点は6点で、以下の3項目が該当します。

・父母共に、身体障害者手帳1 級・2級、愛の手帳1度~3度、精神障害者保健福祉手帳1~3級が交付 されている場合

・父母共に、不存在(申込時から入園後もその状態が継続するような長期入院を含む。)の場合

・生活保護世帯 

また、きょうだい加算は、すでに在園・同時に申し込みともに+2点です。

他区で見られるような「認可外園を利用している」「保護者のどちらかが区内で保育士として勤務している」といった加点項目は、渋谷区にはありません。

ちなみに、指数が同点になった際に適用される優先順位の7番目の項目で、保護者が保育士であることが有利になるようです。

減点の最高点は「希望する保育所等に入所できない場合は、育児休業の延長も許容できる場合」で‐40点です。

これは、育児休暇を延長するための保留通知が欲しい人に対して設定されている項目でしょう。

これらの指数と優先順位をもとに「利用調整会議」が行なわれ、内定が決まった過程には「保育所等入所内定のお知らせ」が送付される仕組みになっています。

出典:令和6年度保育園入園のご案内/渋谷区

【渋谷区の保活】区の取り組み

iStock.com/Satoshi-K

渋谷区が独自に取り組んでいる、保育に関連する取り組みなどを紹介します。

待機児童向け特別枠を設置

渋谷区内2カ所の認可外保育施設には、認可保育園に申し込んで待機児童となった子どものための特別枠が設けられています。

利用には、渋谷区から発行された「利用調整結果通知(待機)」と「支給認定証」の提出が必要になります。区内在住であることも利用条件のひとつのようです。

また対象となっている施設は認可外保育園のため、入園申し込みは園と直接連絡をとって行なう必要があります。

利用できるのは、月曜~金曜日の週5日、7:30~18:30で月間160時間以上220時間となっています。

出典:待機児童向け特別枠/渋谷区

認可外園の休日保育の利用料を一部助成

認可園などに在籍している園児が、日・祝日や年末年始に認可外園の休日保育を利用する場合、利用料の一部を区が助成してくれる制度です。

自宅でのベビーシッターサービスを利用する場合も適用されます。

利用条件は「保護者全員が休日保育利用日に就労していること」で、助成金額は1時間につき1000円。利用上限は1日あたり10時間・年間25万円までとなっています。

助成金の申請は利用日から1年以内に必要書類を提出する必要がありますが、オンライン申請が利用可能になり、より手軽になりました。

出典:休日保育利用料金助成/渋谷区

渋谷区就学前プログラム

保育の質を引き上げるために渋谷区が取り組んでいるのが「渋谷区就学前プログラム」です。

これは主に保育者や保育園を運営する側に向けた取り組みですが、渋谷区の保育園等に通う就学前の子どもたちの幼児教育について、研究者など専門家の意見を取り入れて区がまとめています。

内容は、0歳児から5歳児まで各年齢での成長・発達を踏まえた年間の指導計画や、食育・絵本・異年齢交流の指導計画など、幼児教育のプログラムが緻密に組まれ、就学へのスムーズな移行も計画されています。

この実践によって、子どもが生涯にわたって必要とされる資質・能力を育みながら、一人ひとりの個性を尊重した質の高い就学前教育の充実を図ることを目的としています。

出典:渋谷区就学前教育プログラム/渋谷区

渋谷区の保活は急がずあわてず!慎重な対策で希望の園に

アクセス至便でにぎやかな繁華街だけでなく、代々木公園や国立競技場周辺など緑豊かなエリアも多い渋谷区。利便性を第一に、住みやすさも求める共働きの子育て家庭に人気があるのはうなずけますね。

そんな渋谷区での保活は、今のところは区が受け皿の確保などに注力していることもあり、そう難しいことはないようです。

しかし、人気園や応募が集中する年齢・クラスが存在することも確かです。

渋谷区での保活を確実に成功させるためにも、あせらずにしっかり事前のリサーチをしたうえで慎重な対策をとることを忘れないようにしたいですね。

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