「就労証明書」とは、勤務者の就業を証明するために雇用者が発行する書類です。
保護者が仕事をするために保育園を利用する場合であれば、どの自治体でも入園申し込みの申請時に提出が必要となる、保活にあたって欠かせない書類でしょう。
入園選考においてはこの書類によって保護者の就労状況を確認し、保育の必要性の判断材料に使用します。企業に勤務している場合であれば、その事業者が従業員の就労状況を記載します。
業種などの基本的な企業情報と、勤務者の職種、また勤務状況の詳しい時間や日程などの就業実績を証明する書類です。
書式は任意ですが、国が提供しているオンライン手続きサービスのポータルサイト「ぴったりサービス」で、以下のような書式がダウンロードできます。
この書式は、自治体で指定されていない限り、勤務先におまかせして問題ないでしょう。
認可園の場合は就労状況(実績)で「保育の必要性」の判断が大きく変わるため、その証明や根拠として必要になるのが就労証明書です。
自治体によって「在職証明書」「就業証明書」「勤務証明書」など呼び名が異なる場合がありますが、「勤務状況を証明する」意図で発行されるため同様のものと考えてよいでしょう。
共働きの場合は、働いている夫婦それぞれの証明書が必要になります。
書類には企業の業種や勤務地、勤務者の雇用形態などを記入する欄がありますが、保活においては、勤務している時間や日数といった就労状況の実績が選考基準となります。
そのため、書類提出の締切日より3カ月以内の発行が有効とされています。
なお期限内にすでに提出済みであっても、転職や異動、時短勤務制度の利用で就労状況が変更になるといった場合は、勤務先に再度発行を依頼して提出する必要があります。
就労証明書は勤務先で発行してもらう必要があります。企業に勤めているにもかかわらず自分で作成すると、書類として無効になりますので注意しましょう。
発行に関しては、必要に応じて勤務先の担当部署に依頼する必要があります。
担当部署は人事や労務・総務など社員の勤怠管理をする部署で扱っていることが多いようですが、企業によって異なるため勤務先に確認してから依頼しましょう。
その場合は「保活で使う」など用途を伝えると親切かもしれません。発行依頼は、育児休暇中であればメールや電話で行なっても問題ないでしょう。
保活の時期を決めてから産休に入るのであれば、休暇に入る前にあらかじめ必要になる時期を明示して依頼をしておけば安心かもしれません。
もし、有効期限内である直近3カ月が育休中で就労実績がない場合は、復職後の予定と復職予定日の記載が必要になるようです。
なお、フリーランスや自営業の場合は自分で書類を作成する必要があります。
自治体によっては「就労状況証明」などの追加書類の提出を求められる場合がありますので、必ず申請書類を準備する前に自治体が公開している入園案内などで確認しましょう。
保活における就労証明書を準備する際のちょっとした疑問について解説します。
就労証明書は、保活の際だけでなく保育園のクラス更新時や就学後の学童保育の申し込みなどさまざまな場面で必要になります。
そのため、時期によって発行する側に複数の依頼が重なり、証明書が手元に届くまで時間がかかることが想定されます。なるべく早めに依頼しておけば後で困ることがないでしょう。
立て込んでいない場合であっても、依頼から発行までは1カ月前後かかることを想定しておけばよいかもしれません。
就労証明書が必要な場合、保育園入園申請の締切日までに発行が間に合わなければ、ほかの必要書類が提出できたとしても「書類不備」として選考の対象とならない場合があります。
そのため、就労証明書は早めに手配しておくことが大事です。
やむを得ない事情でどうしても間に合わないという場合は、早めに自治体に連絡して事情を話したうえで後日提出が可能かを確認してみましょう。
保活用の書類であれば、基本的には兄弟姉妹の人数分は必要ない場合が多いでしょう。
ただし提出書類に関しては自治体によってルールが異なることが多いため、独自で判断せずに事前に自治体へ確認しましょう。
申請書類を提出する時点で求職中であれば、就労証明書の代わりに「求職活動申立書」などハローワークで発行される書類が必要になる場合があります。
また同様に、まだ勤務開始してはいないが就労内定状態にある場合は「就労予定証明書」などの書類が代替として指定されることがあるようです。
いずれも自分で作成できない書類なので、ハローワークや勤務内定先に依頼する必要があります。
また、保育園入園内定後に改めて就労証明書を提出する場合も、提出期限などを自治体に確認するのを忘れないようにしましょう。
必要書類を提出しないと、一度もらえた内定が取り消しに…というケースもあるようです。
保活に必要な就労証明書について、基本的な知識から保活に取り組むうえで大事なことについて見てきました。
提出書類の中でも、勤務先に依頼して発行してもらう必要がある就労証明書は、事前に手配しておくのが大事です。後回しにしないよう早めの対応を心がけましょう。
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