こども家庭庁が公表している資料「令和5年4月の待機児童数調査のポイント」では、全国の保育所定員充足率が発表されています。
保育所定員充足率とは、保育園の定員数に対する在籍児童数の割合を表したものです。20人定員の園の場合、在籍数が20人であれば100%、同条件で在籍数が15人であれば75%になります。
以下の表は、2023年の全国の保育所等利用状況です。2023年の定員充足率は前年度比で若干ではありますが減少傾向にあります。
2022年以前についても見てみましょう。以下では直近4年の定員充足率がまとめられ、園児が足りない状況の進行推移が分かります。
以下では、2023年の充足度が低い都道府県を上位1位から5位までまとめました。
上記の5県では保育園の定員割れが起き、園児が足りない状態が生じていることが分かります。
ちなみに、定員充足率が高い都道府県に関しては、
割合が高い順に、神奈川県(96.1%)、兵庫県(95.2%)、大阪府(94.9%)となっています。
ほかにも、全国の都道府県で待機児童0人となっているのは、青森、山形、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、岐阜、鳥取、島根、長崎、大分、宮崎の15県で、必ずしも定員充足率との相関関係があるとは言えないようです。
また、過去5年間の政府による受け皿整備(保育園や認定こども園の増設・受け入れ人数の拡大など)の状況を見ると、近年では受け皿を増加させる自治体が減少し、なかでもさらに受け皿を減少させる自治体が増加しているようです。
少子化の影響も、園児が足りない状況に拍車をかけていると言ってよいでしょう。
保育園の申込者数を見ても、低年齢児の減少が顕著であることが分かります。
0歳児は2019年から減少傾向にありましたが、2023年は前年度から 9479人の大幅な減少が見られます。ほかにも3歳以上は8174人の減少となり、1・2歳は3年ぶりに増加に転じたものの、全体では7979人減という結果になりました。
厚生労働省はこの調査結果に対し「保育の申込者数は女性就業率と相関関係がみられることから、令和5年度以降の申込者数については、「今後の女性就業率にも注視する必要がある」としています。
これらの定員充足率や利用申込者の減少における救世主となるべく期待がかけられているのが、政府が2024年からスタートさせる予定の「こども誰でも通園制度」です。
この制度は、保育園の利用要件を緩和することで、親が就労していない家庭でも、0歳からの子どもを預けられるようにする新たな通園制度で、時間単位での利用も可能というプランです。
2023年度から全国31自治体でモデル事業を行なったところ、複数の自治体で応募が殺到し、人気のため新規受付をストップさせる事態に発展したというケースも見られました。
このように「こども誰でも通園制度」を活用しながら、これまで可視化されなかった無園児の保育ニーズに視野を広げることも、園児が足りない問題解決の手がかりになるかもしれません。
園児が足りない保育園の現状について、全国の保育園の定員充足率や年齢別の申し込み状況のデータなどを参照しながら、現状について考えてきました。
体感だけでなく実際の現状を把握することで、園児が足りないという問題についての解決策を導くことにもつながるでしょう。
また、政府の新しい施策「こども誰でも通園制度」の制度導入についても引き続き注視していきたいですね。
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