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東京都世田谷区の保活事情をリサーチ!待機児童問題は解決している?

SandA_iStock-1270718201東京23区で最も人口が多い世田谷区は、保活激戦区としても知られています。自然豊かな郊外の趣きと商業施設でにぎやかなエリアが混合一体となり、都心で働く子育て世帯に人気です。ここでは、世田谷区の保活の現状を、待機児童、申請スケジュール、選考について詳しく見ていきましょう。併せて区が取り組む保活サービスも紹介します。

【世田谷区の保活】基本情報

世田谷区は、暮らしやすい郊外型住宅が多いこと、新宿・渋谷などの都心部に近いことから、主に共働き世帯や自然の多い環境で子育てをしたい層に幅広く人気がある街です。

そのためか、世田谷区は子育て世帯が集中する保活激戦区として知られています。

ここでは、そんな世田谷区の2023年12月時点での待機児童や申請スケジュールを見ていきましょう。

待機児童

待機児童が社会問題となった2016年前後から、世田谷区では待機児童の増加に頭を悩ませていたようです。

認可保育園など確実な受け皿の拡充などに努めた結果、2020年には待機児童の大幅減少を達成し、ついに待機児童ゼロに。さらに2022年までの3年間、待機児童ゼロを維持し続けました。

しかし、2023年4月入園の選考では、なんと待機児童が10人に増加するという結果に。この10人はすべて1歳児クラスでした。

待機児童が1198人にも膨れ上がった2016年のピーク時に比べれば大幅な減少とはなっていますが、少子化が進むなか、4年連続の待機児童ゼロ継続とはなりませんでした。

この2023年4月入園の選考に際しては、申込者数は前年度比で117人の減少となっています。

さらに世田谷区の就学前人口を見ても、2021年から毎年約1000人ずつ減少している状態です。これは世田谷区に限らず全国的な出生率の低下が原因と見られます。

この傾向はしばらく続くものと考えられており、区が公表している将来人口推計でも、今後もゆるやかな減少が予測されています。

そんななか、世田谷区の保育園入園申込者数は約6000人で毎年大きく変わらずに推移しており、子どもの人口減に対して大きく変化がないことが分かります。

しかも待機児童10人となった1歳児だけで見ると、161人と大きく増加しています。

世田谷区もこの傾向を見越して、就学前人口の減少に影響されない保育ニーズの高まりが今後も続くことを想定して、見合った対策を続けるとしています。

出典:令和5年度保育待機児童等の状況について/世田谷区

申し込みスケジュール例(4月入園)

世田谷区で保活に取り組む際の参考として、2023年の申請スケジュールを見てみましょう。

【一次申請】

申請期間:  2023年9月2日~11月15日(オンライン)

          2023年9月4日~11月15日(窓口)

          2023年9月4日~11月2日(郵送)

通知日 :  2024年1月24日


【一次申請】

申請期間: 2023年11月16日~ 2024年2月1日(オンライン・窓口)

                        2023年11月16日~ 2024年1月29日(郵送)

通知日 : 2024年2月21日

一次申請の結果については、通知日の1月24日以降であれば電話でも確認できるようです。この場合は世田谷区役所の「保育認定・調整課入園担当」が窓口となります。

申請窓口となる「子ども家庭支援課」とは部署が変わりますので注意しましょう。

世田谷区は申込者数が多いことがあり、申請受付期間が他区より若干長くとられているようです。その分、開始日が早いため、取り寄せる必要がある書類の準備は忘れずに行なっておきましょう。

出典:入園のご相談および申込み方法/世田谷区

申請窓口

窓口での申請は、世田谷区役所の第2庁舎3階「子ども家庭支援課」です。

世田谷区役所は庁舎の大規模改修が2029年まで続く見込みで、工事にともない年ごとに課の場所が移動する可能性があります。「子ども家庭支援課」の場所は、その都度確認する必要があるかもしれません。

また、本庁舎以外には以下の支所でも申し込みを受け付けており、いずれも窓口は「子ども家庭支援課」です。窓口での申請については予約不要です。

・世田谷総合支所

・北沢総合支所

・玉川総合支所

・砧総合支所

・烏山総合支所

出典:保育のごあんない(令和5年9月発行)/世田谷区

【世田谷区の保活】選考基準

世田谷区の入園選考について紹介します。

世田谷区では、基本指数に調整指数を加算または減算し、指数が高い方から入園できるよう調整しています。

申込書類に基づき選考指数(利用基準指数と調整基準指数の合計)を確定し、指数(保育の必要性)の高い方から内定するといった一般的な選考システムです。

指数が同じ場合は、これも他区同様に「同一指数世帯の優先順位」により判断されます。

これらの基準や優先順位は「指数」として、区が年度ごとに発行している「保育のごあんない」に掲載されています。

これをもとに、以下の例を見ていきましょう。

保育の利用基準(原則として締切日を基準とする)

保育の利用基準(原則として締切日を基準とする)算出の一例

父親(フルタイム勤務) 週5日以上勤務し、かつ、週40時間以上の就労を常態  →50点

母親(時短勤務)       週5日以上勤務し、かつ、週37時間以上の就労を常態  →45点

このような場合、世帯の基本指数は「95点」となります。

利用基準指数における各項目の最高点は50点ですので、比較的計算しやすい指数設定かもしれません。

なお世田谷区では、1カ月以内の内定が出ていても申請締め切り日までに勤務開始していない場合は、就労している場合の点数より20点減点になるので、求職中に保活する方は勤務開始日に注意が必要です。

この点数を基準として、保育の調整基準(原則として締切日を基準とする)で指数の加点・減点を調整します。

保育の調整基準(原則として締切日を基準とする)

「保育の利用基準」で算出された点数に加点・減点を行ない、最終的な指数を導き出すのが、調整基準です。

加算となる要件に該当する場合は、その事実を確認できる書類の提出が必要です。 世田谷区の調整基準の最高点は+20点です。以下の項目が該当します。

・ひとり親世帯(同居親族がいない)または保護者不存在

・認定こども園在園児で、認定区分が1号から2号に切り替わり、引き続き同じ認定こども園のみの利用を希望する場合

・年齢上限がある区内の保育所等(利用調整の対象となる保育施設・事業に限る)の最終年齢クラスを卒園し、引き続き区内の保育所等の利用を申込む場合(卒園後の受け入れ先が確保されている場合を除く)

・育休取得により、利用調整の対象となる保育施設・事業を一時退園し、育休明けに再入園の場合

ここで注意したいのは「ひとり親世帯」の扱いです。

項目にも「同居親族がいない」ことが付記されているように、ひとり親世帯でも同居親族がいる場合は点数は半分に下がって+10になります。

対策によって点数加算できる項目「申込児を保育室、保育ママ、認証保育所、ベビーシッター等の認可外保育施設、幼稚園の預かり保育に有償で預けていることを常態」は、世田谷区では+6点ですので、少しでも加点したい方は活用しましょう。

大幅減点の項目は「兄弟姉妹が在園児または卒園児であって、当該児童に係る保育料または延長保育料のいずれかが保育の利用申込締切日現在、正当な理由なく3か月以上滞納されている場合」で、この項目に該当すると‐20点となります。

出典:保育のごあんない(令和5年9月発行)/世田谷区

【世田谷区の保活】区による保活サポート

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保活激戦区と言っても、世田谷区は待機児童解消や子育て支援に力を入れて取り組んでいる区のひとつです。

区が取り組んでいる保活サポートを見ていきましょう。

トワイライト保育入園申請受付

2024年4月入園の申し込み期間中、1日限定・北沢支所のみで窓口開設時間を拡大する取り組みが詫試行実施されました。

この日は、17時30分から19時30分まで予約不要で申請受け付けが行われました。

勤務時間や介護などの状況によって区役所の開庁時間に間に合わない方に向けて、より利用しやすい窓口拡大の施策となったようです。

出典:入園のご相談および申込み方法/世田谷区

保育入園個別相談・保育園入園説明会

次年度4月入園の申請受付け期間中に世田谷区が行なっている保活サポートです。

「保育入園個別相談」は、通常時も窓口で行なっている保育園入園にあたっての個別相談を、期間中は1回30分の予約制で受け付けています。

また「保育園入園説明会」として、世田谷区で初めて認可保育園入園の保活を考えている保護者に向けた合同説明会を実施しています。

場所は支所ごとに日程と時間を決めて行なわれるので、参加しやすい場所と日時を選べます。予約は、個別相談・説明会どちらもチャットアプリの区の公式アカウントで手軽に行なうことができます。

出典:入園のご相談および申込み方法/世田谷区

動画配信「保育園最初の一歩」

世田谷区の認可保育園入園申し込みに関する基本的な情報を動画配信サイトで公開しています。

認可保育園へ入園するにあたっての申請に必要な、世田谷区発行の入園ガイドブック「保育のごあんない」の大事なポイントをていねいに解説するなど、わかりやすい動画になっています。

家事や育児の合間にチェックしておくと、いざ申請準備をする際にあわてずにすむかもしれません。

出典:【動画配信】保育園最初の一歩/世田谷区

世田谷区の保活は1歳児クラスが鬼門!効果的な対策を

2023年は3年ぶりに10人の待機児童が出てしまった世田谷区ですが、保活ビギナーや困っている家庭に向けてのサポートには力を入れていることが分かります。

応募人数も増加し、待機児童の100%を占めた1歳児での入園は、23年度以降も引き続き難しい状況が続くことが予想されます。

区のさまざまな受け皿や認証・認可外園なども利用しながら、世田谷区の保活の荒波を乗り越えましょう。

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