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江東区は保育園に入れない?隠れ待機児童にならないための対策
これから保活を始める方は、江東区では保育園に入れないのか気になるかもしれません。23区の合計特殊出生率で2021年度は5位、22年度は7位と上位をキープする江東区は、豊洲や有明など再開発が進む人気エリアを中心にファミリー層の流入が増えているようです。ここでは待機児童の現状や入園における倍率など、江東区での保活について見ていきましょう。
保育園に入れない?江東区の待機児童と実情
江東区は、湾岸エリアを中心とした再開発大規模なタワーマンションが数多く建設されたことで、子育て世帯の流入が増加しました。新都市開発は現在も継続中で、人口増加率はつねに高い水準で推移しています。
そのような状況を受け、江東区は、マンション開発との連携など区独自の整備手法をもって、地域や年齢で異なる需要に応じた保育園整備を進めてきました。
その対応が功を奏して、2022年度に待機児童を初の0人とすることに成功。続く2023年度も待機児童ゼロを継続しています。
直近では、2023年4月入園選考の申込者数は14892人で、前年度比較では143人増加しています。
0歳児は101人と大幅に減少しましたが、そのほかの1・2歳児および3歳以上児を合わせて200人以上増加しています。
しかし、2023年4月の入園状況を見ると、3歳児以上だけでなく、人気が高い1歳児クラスでも定員割れが起きている園が複数あることが分かります。
このことから、江東区では待機児童がゼロになったことによって、保活する側が「保育園を選ぶ」段階に入っていることが見て取れるかもしれません。
出典:各市区町村の「新子育て安心プラン実施計画」(令和5年度)/こども家庭庁
江東区で保育園に入れない理由
認可保育園への申込者数は大幅に増えていますが、待機児童に関しては落ち着いている江東区。保育園に入れないとすればどのような理由でしょうか。
ここからは、江東区で保育園に入れない理由を国や区の公開データから見ていきましょう。
今後の保活人口からの予測
江東区は、2023年までの5年間で2万人の人口増加を達成し、人口増減数では全国4位、東京都全域で1位です。
次に、区内での未就学児にあたる子どもの数を推測する資料として、東京都が公表している2022年度の合計特殊出生率を参照してみましょう。
合計特殊出生率とは、15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、数値は1000/1を表す「‰(パーミル)」で表わされます。この数値が高いほど、子どもの数が多いと推測できます。
東京都全域での合計特殊出生率は1.08‰。23区に絞ると最も高い中央区が1.37‰という数字のなか、江東区は1.11‰で23区中7位に位置します。
このデータから、江東区は区内でも子育て世帯が多い地域であると言えるかもしれません。
この傾向は今後も続くと予測されており、江東区は2025年4月入園の申込者数が2023年4月入園から約1000人増の約16000人になると試算しています。
現状では待機児童数ゼロと安定していますが、今後さらなる再開発による人口流入が続くことで、保活市場にも影響が出ることが想定できるでしょう。
前年度の指数ボーダーライン・倍率からの予測
江東区では、毎年4月入園の選考結果が出た時点で、園ごとの指数ボーダー表と申し込み倍率を公表しています。
ここでは、この2つのデータについて見ていきましょう。
入所指数ボーダー表
保活における「ボーダー」とは、その園に入園した世帯のなかでの最低指数です。この指数が分かることで、当該園に入園するために獲得するべき最低限の点数が明確になります。
2023年4月入園のボーダーを確認すると、最も倍率が高かった1歳児では、どの園もボーダー指数がほぼ「26点」です。
なおかつ、26点の世帯が複数いたため「優先順位」によって最終的に選考が行なわれた園がほとんどであることが分かります。
つまり、最低限である26点を持っていても、内定に届かなかった世帯があったということです。またボーダーが「27点」「28点」の園も多く、さらにそのほとんどが優先順位で決まっています。
それでは、江東区で26~28点の指数を獲得できる、一般的な世帯の状況を想定してみましょう。指数表をもとにおおまかに換算すると以下のようになります。
【基準指数】両親ともに「月20日以上・週40時間(月160時間)以上の就労を常態」に該当すれば24点。
【調整指数】両親いずれかが「【12】1歳児クラス以降に育児休業復職予定での申込みの場合」に該当すれば+2点。
これで、1歳児入園のボーダー平均となる26点が獲得できます。さらにボーダーが高い指数の園では、上記に加え
【13】の兄弟加算で+2点
【14】認可外施設などの利用加算+2点以上
このどちらかを獲得している方が多いかもしれません。
倍率の高い人気園に関しては、ここまで指数をかせげば土俵に上がれると考えてよいでしょう。それでも、優先順位で内定保留になる可能性はあります。
なお、高いボーダーで入れなかった世帯がある一方、同じ1歳児クラスで定員割れが起きている園が複数あることからも、特定の園に人気が集中していることが分かります。
申し込み倍率
人気園はボーダーの点数からも推測できますが、倍率を参照する方が多いでしょう。
しかし、江東区が公表している申し込み倍率は、第1希望から第5希望まですべての申し込みの合計数で記載されています。
つまり、1歳児クラスへの申し込み数10人の園が2園あった場合でも、そのうちA園は10人すべて第1希望、B園はすべて第5希望に書かれている可能性もあるのです。
この内訳は、公開されている倍率表で測り知ることができません。
そのため、申込倍率と実際の競争率は、必ずしも一致しない場合があることも念頭においておきましょう。
保育園に入れない江東区民にならないために
iStock.com/kohei_hara
江東区で保活をする際にポイントとなるのは、保育園に「入れる・入れない」ということよりも、より希望する保育園に子どもを預けられるかどうかという点ではないでしょうか。
そもそも保育園に入れないと言われていた頃から考えると、待機児童が解消できている今の段階では、保活の軸足が「入れればどこでもよい」から「より希望に近い園に入る」ことにシフトしている風潮があるようです。では、ここからは希望する園に入るためのポイントを確認していきましょう。
人気園は兄弟姉妹加算・育休加算がポイント
申し込みが集中し、倍率が高い人気園では、兄弟姉妹がいることによる調整指数の加算が強いようです。定員が少ない園やクラスでは、上の子がいる希望者だけでほとんどの枠が埋まることもあるそう。
しかし、あまりに人気が高い園・クラスの場合、兄弟姉妹が在園していても指数によっては入園できないことも考えられます。特に人気園での1歳児クラス入園ではその可能性が高まります。
兄弟姉妹で園が別れてしまう事態は、できれば避けたいでしょう。そのため、人気園に上の子が通っている場合は、下の子は0歳児クラスへの入園を目指す方がリスクが少ないと言えます。
もし指数や優先順位で上位を狙えそうであれば、1歳までの育休で調整指数の加算が+2となるので、できるだけ加算できるポイントを絞ってみるのもよいでしょう。
1人目保活の際にできる対策としては、希望の園が絞れた段階で、区の窓口や江東区の保育ナビゲーターに過去の兄弟姉妹の入園率を確認しておくのも参考になるかもしれません。
認可外園を利用しながら加算
江東区では、認証保育園や定期利用保育など、認可外の保育園などに預けている実績が証明できれば指数アップにつながります。加点は、子が1人の場合は+2、2人以上の場合は各+3となります。
これを利用して、1歳まで、もしくは3歳まで認可外園を利用することも視野に入れてみましょう。
認可外保育園には、習い事やスポーツ、幼児教育などのカリキュラムが豊富な園や、都市型保育として駅前や商業施設内などの便利な立地を確保し、きめ細やかなサービスが提供されている園もあります。
江東区は、タワーマンション需要があることから、良質な認可外保育園が充実しています。区内の多くのエリアで、スポーツ特化型の大手園や、インターナショナルプリスクールが選択可能です。
質の高い幼児教育や幼児期からの体験価値を重視するなら、認可外の保育園で理想の保育が見つかることもあるでしょう。保活の際には幅広く目を向けて園探しができるとよさそうです。
江東区で保育園に入れない理由を知ってかしこく保活しよう
待機児童対策についてはお墨付きの実績がある江東区。今後の人口増加に向けても、受け皿や支援の拡充に期待したいところです。
そして江東区で保活するのなら、園探し・復職時期ともに戦略的に選択肢を幅広く持って取り組むのがよいかもしれません。
「希望の保育園に入れない」とならないよう、区のサポート制度も利用しながら臨みましょう。
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