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保活の点数、どう計算する?家庭・地域ごとの指数計算シュミレーション

takayuki_iStock-1304612181認可保育園への入園は、自治体ごとに設定された「点数(指数)」を基準に選考されます。この点数計算の例をシュミレーションして分かりやすく知りたい方もいるでしょう。ここでは保活を成功させるために欠かせない点数の基本的な内容と計算方法、そして都内3つの地域で保活に取り組む家庭の点数を例として解説します。

【保活の点数シュミレーション】指数についての基礎知識

認可保育園への入園を目指すための保活を始めるにあたって重要な選考基準になるのが、世帯ごとの点数です。

この点数は、正式には「指数」と呼ばれることが多いようです。

指数には以下の3つの種類があります。このすべてを加味して入園選考が行なわれ、保育園ごとの希望者の中から点数が高い順に入園が決まります。

基準指数

世帯ごとの基準となる点数を決める指数を算出するための項目です。主に世帯を構成する両親の就労や介護の実績など、基本的な「保育の必要性」を点数化します。

調整指数

基準指数で算出された世帯の点数に対し、調整指数のあてはまる項目に応じて加点・減点を行ないます。

優先順位

園の選考で基準指数+調整指数で算出された点数が同点だった場合のための選考基準です。

基準指数と調整指数の関係は、以下の式のようになります。

世帯合計

(父の基準指数+母の基準指数)+調整指数(加点・減点)=世帯の点数

2種類の指数の合計が高い順から入園が決まり、点数が同一の場合は場合によって優先順位を基準とする、という方法は全国で統一されていますが、各指数や優先順位の配点・項目内容は自治体によって異なります。

これらの指数表は自治体ごとに毎年更新されます。その年度の指数表や優先順位表は市区町村の役所で配布されていますが、自治体の公式サイトでも公開されています。

ここからは、東京都内の3つの自治体で保活に取り組む世帯の点数シュミレーションを見ていきましょう。

【点数シュミレーション1】渋谷区で保活するAさん夫婦

Satoshi-K_iStock-1409571984iStock.com/Satoshi-K

渋谷区に住み、第1子が現在0歳のAさん夫婦は、夫婦ともフルタイム勤務の共働きです。妻は育児休暇中ですが、次年度4月の1歳児クラスに入園できれば時短勤務での復職を予定しています。

Aさん夫婦の渋谷区での点数シュミレーションは以下のようになります。

点数計算の例

【基本指数】

夫(フルタイム勤務)

週5日以上・1日8時間以上の就労を常態(おおむね月20日以上)  20点

妻(時短勤務)

週5日以上・1日6時間以上8時間未満の就労を常態(同上)  18点

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基本指数合計 38点 

【調整指数】

利用希望日において、就労実績が6カ月以上ある場合 1点

保護者のいずれかが、出産・育児のための休業・休学から復職前提の場合 2点

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調整指数合計 3点 

点数  41点 

基準指数についての詳細

渋谷区では「基本指数」と呼ばれるこの指数は、その世帯の「保育の必要性」の重要度を評価するために、主に就労状況や疾病、障がい、介護などを点数化します。

そのため、就労に関しては勤務日数や勤務時間の長さ、介護や疾病などは入院期間や療養の状態などによって細かく点数が変わります。

就労においてはあくまで日数と時間が基準となるため、正社員やパート勤務など、雇用形態は選考に影響しません。

配点や細かい基準は自治体によって異なりますが、渋谷区では、就労状態が確定していない「内定」の場合でも内定時点に想定している勤務時間の長さで点数が変わります。

自治体によっては、就労内定の場合は、想定勤務時間を問わず一律の配点を課しているところもあります。

出典:令和6年度保育園入園のご案内/渋谷区

【点数シュミレーション2】世田谷区で保活するBさん夫婦

世田谷区に住んでいるBさん夫婦は、夫がフルタイム勤務・妻がフリーランスで共働きです。5歳の第1子は区内の認可保育園に通園中。今回は1歳になった第2子の保活に取り組んでいます。

第2子は生後7カ月から区のベビーシッター事業を利用していますが、今回の保活では、上の子と同じ園の1歳児クラスに入園したいと考えています。

Bさん夫婦の世田谷区での点数シュミレーションは以下のようになります。

点数計算の例

【基本指数】

夫(フルタイム勤務)

週5日以上勤務し、かつ、週40時間以上の就労を常態 50点

妻(業務委託契約にて勤務)

週4日以上勤務し、かつ、週30時間以上の就労を常態 35点

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基本指数合計 85点 


【調整指数】

入園希望月に申込児(転園申込児を含む)以外の兄弟姉妹(卒園予定児を除く)が在園中または同時申込中の場合 5点 ※多胎児の場合は6点

申込児を保育室、保育ママ、認証保育所、ベビーシッター等の認可外保育施設、幼稚園の預かり保育に有償で預けていることを常態としている場合 6点

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調整指数合計 11点 

点数  96点 

調整指数についての詳細

調整指数には、世帯ごとの点数を出す基準指数に対して、世帯だけでなく両親それぞれや子どもについての項目などがあります。

基準指数はもともとの世帯状況による項目が主ですが、基準指数にはさらに流動的な状況を点数化する項目もいくつかあります。

そのため点数をかせぎたい場合は、調整指数でできるだけ加点項目に該当できるようにする、もしくは減点項目に該当しないようにする方が多いようです。

ほとんどの自治体では、上の子がすでに入園している場合は調整指数で加点になることが多いようです。世田谷区でもこの点でBさん夫婦は加点が行なえました。

また世田谷区の調整指数には以下のような項目があります。

「区内の保育施設等に月20日以上かつ1日6時間以上勤務している保育士・保育教諭が、申込児の入園が決まらないことにより、産休または育休から復帰できず、区内の保育施設等の運営に深刻な影響がある場合(4月1日入園の二次選考のみ適用)+2」。

このように、世田谷区に限らずほかの自治体でも、両親のどちらかが保育士として自治体内に勤務している場合には加点になることが多いようです。

出典:保育のごあんない(令和5年9月発行)/世田谷区

【点数シュミレーション3】新宿区で保活するCさん夫婦

bee32_iStock-625706430iStock.com/bee32

新宿区に住んでいるCさん夫婦は、夫が自営業で飲食店経営・妻は現在パート勤務に内定中です。妻の就職内定にともない、第1・2子となる双子の2歳児クラス入園に向けて保活に取り組んでいます。

Bさん夫婦の新宿区での点数シュミレーションは以下のようになります。

点数計算の例

【基本指数】

夫(自営業)

月20日以上・週40時間以上の就労を常態 20点


妻(就労内定)

月20日以上・週30時間以上週35時間未満の就労を常態 13点

※同条件で就労中の場合は17点

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基本指数合計 33点 

【調整指数】

多胎児の入園・転園を希望する場合 4点

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調整指数合計 4点 

点数  37点 

優先順位についての詳細

ひとつの園・クラスに定員以上の申し込みがあった場合は、指数が高い順に入園できるよう選考を行ないます。この際に複数世帯が同一指数で重複した場合に新たな選考基準となるのが「優先順位」です。

一例として、新宿区の優先順位は以下のようになります。

上記のCさん世帯が、優先順位を基準に選考される場合をシュミレーションしましょう。

優先順位は上の項目から順に該当するかどうかで選考が行なわれます。Cさんの世帯は「(1)新宿区民」に該当します。

たとえば、Cさん世帯と同点であるDさん世帯が同じ園に申し込んでおり、どちらかがその園の残り1枠を獲得できるという場合、もし相手のDさん世帯が区外から申し込んでいる場合は、この時点でCさん世帯が入園の権利を得ることになります。

このように、どちらかが優先されるまで上の項目から順に選考していくのが、優先順位の使い方です。これは自治体が選考時に使用するため、申し込んでいる側には可視化されません。

Cさんは上の子がいない状態での保活ですが、新宿区は「きょうだいが在園している」ことが優先順位の項目になっているので、第2子以降は比較的入りやすいかもしれません。

出典:新宿区認可保育園等申込みの手引き 【令和6年度版】/新宿区

保活の点数シュミレーションを参考に指数表を見直そう

都内3つの区で保活に取り組む家庭を例に、自治体・世帯ごとの点数算出方法と、指数と優先順位をもとにした保活の点数についてシュミレーションしてきました。

指数の配点や項目、優先順位の内容などは自治体によって大きく異なります。また、同じ自治体でも社会情勢や地域の状況によって年度ごとに見直し・変更が起きることも多々あります。

これから保活に取り組む方や保活中の方は、点数のシュミレーションを参考にしながら、ご自分が保活する自治体の最新の指数表を見直してみましょう。

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