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保育の質の向上のために、保育園に求められるアプローチとは

maroke_iStock-1015451248「保育の質の向上」が大事なのは分かるけど、どうすれば向上したと言える?その定義は?と疑問に思う保育園経営者の方もいるのではないでしょうか。今回は、厚生労働省の「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」でとりまとめられた5つの取り組みを紹介しながら、保育の質について考えます。

保育の質の向上において求められることは

「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」は、厚生労働省が2018年から計9回にわたって定期的に実施してきた検討会です。

2020年に行なわれた会では、以下が「保育の質」として取りまとめられました。

保育の質は、子どもが得られる経験の豊かさと、それを支える保育の実践や人的・物的環境など、多層的で多様な要素により成り立つ。

保育の質を捉えるに当たり、

  • 「子どもにとってどうか」という視点を基本とする
  • 一定の水準で保障すべき質と実践の中で意味や可能性を追求していく質の両面がある
  • 様々な文脈や関係性を考慮することに留意

出典:保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会議論のとりまとめ【概要】/厚生労働省から抜粋 

また、「保育の質の確保・向上に向けた取り組みが実効性あるものとなるよう、関係者が共通理解を持って主体的・継続的・協同的に改善・充実を図ることが重要」とされています。

この検討会によって、保育の現場で求められるとされた5つの項目を見ていきましょう。

保育の質の向上にむけて【1】保育所保育指針を共通基盤に

これは、「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」を活用して保育内容を実施し、評価を充実させることで、保育の質が担保されるという考え方です。

2008年に告示された「保育所保育指針」では、「保育の内容等の自己評価」として以下が示されました。

  • 保育士が業務のなかで実践した保育を自己評価するよう努める
  • 自己評価を踏まえたうえで、保育園は保育の内容について評価を行う
  • 評価の結果の公表に努める

この保育士と保育園が実施した保育について自己評価を行なう際に指標となるのが「保育所における自己評価ガイドライン」です。

このガイドラインは、その後も保育の改善や組織としての機能強化に資する内容としてアップデートされ、現在は「2020年改訂版」が最新です。手元にある資料が最新のものか確認しましょう。

このように、ガイドラインをもとにした評価・研修といった取り組みを行ないながら、保育士などの職員および経営者で理解を共有し、一貫性をもって実施することが保育の質の向上のために望ましいとされています。

出典:保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)/厚生労働省

保育の質の向上にむけて【2】組織および地域全体で参画

itakayuki_iStock-1304614966iStock.com/itakayuk

保育の現場に「多様な関係者(保護者・地域住民・他園の職員・専門家など)が関与・参画する」とされるのがこの項目です。

地域において、地域の学識経験者などが保育に協同的に関わり、保育園の経営者・現場の職員と互いに学びあう関係を作ることが必要とされているようです。

園経営として取り組める連携の実施については、たとえば地域の大学や教育機関、高齢者施設などとの協同や交流体験、また、近隣の農園と提携した田植えや畑仕事の体験といった取り組みなどが挙げられるでしょう。

保育の質の向上にむけて【3】多様な視点を得る「開かれた」保育

【1】で取り上げた「保育の内容等の自己評価」のように、開かれた評価・研修を行なうことが、保育の質の向上には重要でしょう。

また、評価結果の公表は、自園の保育やさまざまな取り組みを幅広い層へ可視化させ、情報発信することが目的ですので、保護者や地域住民にも分かりやすいものであることがのぞましいでしょう。

それに先駆けて、保育の現場では保育士などがお互いの保育を見合いながら対話する機会を設けることが求められています。

保育の質の向上にむけて【4】 職場環境のマネジメント

保育園経営者側に求められるマネジメント的側面としては、職員一人ひとりの主体性を尊重する職場環境を作ることが挙げられています。

保育士などの職員がモチベーションを高く持ち、保育理念や園の方針に共感・同調しながら日々の保育を実践することは、保育の質の向上にむけては欠かせない要素でしょう。

そのために、職員の働き方・職場環境・キャリア形成などについてあらゆる側面から寄り添い、職員の主体性を大事にしながら、より働きやすい園として運営していく意識が大切でしょう。

保育の質の向上にむけて【5】地域での情報共有と学びの機会を創出

shih-wei_iStock-1417547919iStock.com/shih-wei

地域との連携によって、情報共有と相互に学び合う機会を積極的に持つことが求められています。

具体的には、研修や公開保育などを行なうことで、他園の職員および異業種との交流や情報共有、またさまざまな専門家との学び合いの場を作ることが、保育の質の向上へと結びつくでしょう。

これらの実施には、保育園からだけでなく、自治体の協力や取り組みも必要です。

そのため「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」では、自治体に向けた施策も提言されており、これらの項目を自治体サイドからも働きかけるよう指南しています。

出典:保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会議論のとりまとめ【概要】/厚生労働省 

出典:議論のとりまとめ  「中間的な論点の整理」における総論的事項に関する考察を中心に /厚生労働省

出典:保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会「議論のとりまとめ」を踏まえて今後求められること/厚生労働省

保育の質の向上を目指して園児集客の足がかりに

保育の質の向上には、保育園、職員、地域、自治体が相互に取り組み、また情報公開や共有が必要ということが見えてきました。

さまざまな立場から保育の質を高め、子どもにとってよりよい環境を整えることが、これからの保育園や保育現場の発展にも結びついていくかもしれません。

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