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園児が集まらない保育園がやるべき親子への体験機会・価値の作り方
保育園の園児集客は、近年の保育園経営の大きな課題となっています。「広報はできる限りしていて地域では園の知名度もあるのに、園児がなかなか集まらない」という経営者の方の声も聞かれます。今回は、地域にアピールしながら親子の体験機会をつくることで園児集客につなげる方法を提案します。
園児が集まらない保育園では、低年齢児の集客が課題
厚生労働省が実施した全国の調査では、2023年4月の待機児童数は2680人。
前年からは264人の減少であり、待機児童数の調査開始以来5年連続で最少となりました。
待機児童数がピークと言われた2017年が2万6081人だったことを考えると、6年間で減少数は2万3401人にのぼり、約10分の1になっています。
国や自治体が積極的に行なった受け皿の拡大や、保育士の有効求人倍率の改善といった待機児童対策が功を奏したかたちになりますが、別の問題も浮上しています。
それが「保育園の定員割れ問題」です。
これには保育士不足により定員まで園児募集がかけられないという事例もありますが、それだけではなく、少子化や待機児童解消によって「園児が集まらない」ことも大きな課題のようです。
2023年の調査では、0歳~1歳児の低年齢児、3歳児が特に減少傾向にあることも分かっています。
少子化との相関でもあるこの傾向は、今後さらに続くことが想定されています。
少子化だけじゃない、園児が集まらないもうひとつの理由
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少子化により低年齢児を中心に母数が減少している現状で、かつ、保育園に園児が集まらない場合、いかに園児募集を成功させるかは困難に思われるかもしれません。
しかし、保育園に園児が集まらない理由のひとつには「他の魅力的な園に入園希望が偏っている」という状況も考えられます。これに端を発するのが「隠れ待機児童」です。
隠れ待機児童は、希望する園に入園できなかった場合、すべりどめの園に入園せず次年度まで入園を見合わせるという保護者の対応により発生する未入園児です。
この場合は待機児童の統計にカウントされないため、隠れ待機児童と呼ばれます。
全国の隠れ待機児童数は、2023年度には6万人を超えており、前年度から約5000人の増加となっています。
この層を獲得することが、もっとも現実的な園児集客のポイントと言えるでしょう。
園児が集まらない保育園を脱するための「親子教室」が効果的
では、前述した隠れ待機児童を獲得するために保育園としてなにができるでしょうか。
それは、「選ばれる園になる」ことです。
定員割れが起きている地域が多い現状では、園を選ぶのは保護者側だと考えられます。まずは一人でも多くの保護者に、自園のファンになってもらうことを念頭におきましょう。
また、低年齢児の減少が続くことを考えれば、できるだけ早い段階で保護者との接点を創出することがポイントです。
そのために保育園として実施したいのは、0歳児からの「親子教室」や「子育て教室」などのイベント開催です。地域の子育て支援の一環として、0歳児からの未就園児を対象にしたものが一般的です。
園内の一室を利用して、できるだけ定期的に、月1~2回程度の頻度で継続して行なえるとよいでしょう。
また、年齢ごとにクラスを分けることも大切です。
内容は、保護者と子どもとのふれあいや手遊びなどを中心に、育児の悩み相談に応えたり、参加者同士の交流などを促したりすることが中心です。実施時間は30分~1時間以内がのぞましいでしょう。
土日などを利用して父親教室・きょうだい参加のイベントを開催するのも効果的です。
この際に園見学や園児募集の告知も行なえますが、ここではあくまで、保護者の悩みや子どもたちに寄り添い、子育て支援の姿勢を見せましょう。まずは、自園のファンになってもらうことを心がけましょう。
また、未就園児と保護者が集まる機会を利用して、実際の保育ニーズのヒアリングをすることも可能です。今後の選ばれる園づくりに際して、大いに参考になるでしょう。
とにかくまずは園に足を運んでもらい、園内の施設や雰囲気を体感しながら親子の体験共有を実施することが大切。園のファンを獲得する第一歩であり、長く続けることで、地域への口コミ、紹介にもつながります。
園児が集まらない保育園で集客の機会を逃さないための注意点
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親子教室の実施にあたって、園児集客へと自然な流れを生み出すための注意点を確認しましょう。
可能な限り定期開催を心がける
「余裕があるときに」「人が集まったら」のような不定期開催や、1回きりの開催ではファンの獲得にはつながりません。
せっかく創出した保護者との接点を継続させることで、日常的に園に足を運んでもらう、友人知人を誘ってもらう状態にまで育てていきましょう。
新規の参加者に気を配る
定期開催によって、リピーターを増やすことが成功への第一歩です。しかしここで気をつけたいのが、「常連がかたまり、新規が入り込めない雰囲気」が生まれてしまうことです。
新規参加者には、できるだけ保育士や園長などの進行役がつねに話しかけたり目を配ったりしながら、孤立しない状態を作りましょう。
親子教室全体として「初めての親子をみんなで歓迎する」という雰囲気をつくりあげ、常連の参加者もその空気に巻き込めるとよいかもしれません。
保護者の行動フローの把握
親子教室の定期開催にあたっては、所属自治体の入園申し込み時期などを把握したうえで、内容やトーク、相談内容などを調整していきましょう。
自治体によりますが、入園申し込みは前年度の10月から11月を中心に行なわれ、2月に結果の通達、それ以降に二次募集が始まることが多いでしょう。そのあたりのスケジュール感を念頭に考えます。
また、保護者の興味関心、行動フローにあわせて個別相談なども行なえると、より効果的に園児集客につなげることができます。
体験によるファン獲得で「園児が集まらない保育園」を変える
隠れ待機児童問題でも分かるように、保護者が園を選ぶのがスタンダードとなりつつある現状。
できるだけ低年齢の子どもを持つ方と接点を持ち、「あの園に入りたい」という保護者を一人でも増やしていくために、地域に根ざした「親子教室」事業を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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